第4回SWY塾 ~Comparative politics in Sweden and Japan:スウェーデン人と政治について英語で語ろう~
2019年11月7日(水)に第4回SWY塾を開催しました!
SWY塾は、内閣府国際交流事業「世界青年の船」(Ship for World Youth:SWY)既参加者が有志で企画・運営している勉強会です。日本の政治・社会問題など幅広いトピックについて、気軽に楽しく議論・習得できる場を提供しています。
今回は第4回として、SWY26(Global Leadership Development Program: GLDP)の既参加青年1名含む計6名のスウェーデン人をお招きし、「Comparative politics in Sweden and Japan~スウェーデン人と政治について英語で語ろう~」を実施しました。
当日は、スウェーデン人と日本人の双方が自国の政治制度について簡単なプレゼンテーションを行なった後、5〜6名の少人数グループに分かれ、トピックに沿ってショートディスカッションを行いました。
また、イベントの開催にあたり、政治社会学を専門にしておられる明治大学国際日本学部の鈴木賢志教授にスウェーデンと日本の政治ついて事前にお話を伺う機会をいただきました。教授からのお話を参考に、前半のプレゼンテーション内容を設計し、普段政治を身近に感じるとの少ない参加者が主体的に議論に参加できるような内容を織り込んだ情報のインプットを行いました。
以下、当日の様子を簡単にレポートさせていただきますのでぜひご一読くださいませ。
アイスブレーキング(自己紹介)
当日は内閣府国際交流事業「世界青年の船」既参加青年を中心に総勢24名、
平日夜の開催であったのにもかかわらず、多くの皆様にご参加いただきました。学生や多様な業界出身の社会人の方、また既参加青年の兄弟や大学の友人の皆様にも多くご参加いただき、SWYの枠を越えた人脈形成の場となりました。
参加頂いた方はFacebookグループでその後も繋がり、イベント後も情報交換等積極的にしていただいています。(こちらに入りたい!という方も大歓迎ですのでお声がけください。)
ショートプレゼンテーション
スウェーデンからは、SWY26の既参加青年であるAnna Rydborgと彼女の友人のSandra Hammarstrandによる:
・スウェーデンの国土や人口などの概要説明
・政治制度や議会の仕組み
・議会の多様性
・スウェーデン人の政治に対する意識
日本からは、SWY31の既参加青年である清水万尋による:
・日本とスウェーデンの若者の投票率の差異と政治に対する意識調査
・両国の女性議員の比率
・福祉国家とは
について、プレゼンテーションを行いました。
ディスカッション
後半は以下の3つのトピックに沿ってディスカッションを行いました。
1.投票率
2.政治の多様性(多党制、ジェンダー、被選挙権など)
3.国家政策
ディスカッションでは、日本人とスウェーデン人が互いの制度や意識の差異について質問し合い、学び合う姿が見られました。
1つ目のテーマ「投票率」については、両国の違いが顕著であるため活発な議論がなされました。単なる数字の比較ではなく、スウェーデン人の選挙に対する思い入れや、実際に受けた政治に関する教育にまで話は広がり、スウェーデン人の生の声を聞くことで理解を深めました。
2つ目のテーマ 「政治の多様性」については、スウェーデンにおける立候補や政党設立のハードルの低さ、議員のジェンダー比率について意見交換を行いました。立候補については、「あなたは政治家として立候補したいと思うか」という質問がスウェーデン側から投げかけられ、自分ごととして捉えた際に生じるスウェーデン人と日本人の考え方の違いは非常に興味深いものでした。単なる制度の違いだけでなく、政治家のイメージにも大きな違いがあることを知ることが出来ました。
3つ目のテーマ 「国家政策」については、スウェーデンの福祉国家政策に焦点を当て議論がなされました。日本人にとってはイメージの掴みにくい福祉国家での生活ですが、実際にスウェーデン人から普段の生活で支払う税金や、受けている福祉サービスについて話を聞くことで身近に感じるようになりました。
懇親会
SWY塾ではセミナー終了後に懇親会を実施しており、前回に引き続き15名以上参加いただきました。日本の居酒屋をスウェーデン人に体験してもらおうと、今回は大衆居酒屋での実施でした。おいしい日本のご飯を食べながら、趣味や仕事などのカジュアルな話題で盛り上がるのはもちろん、SWY塾の感想やフィードバック、今後のSWY塾の運営・講演テーマについてもざっくばらんに話し合われ、楽しく有意義な時間となりました。
第4回SWY塾を終えて
第4回の開催となったSWY塾では、過去最多24人の方々にご参加いただきました。また、今回はSWY塾初となるすべて英語での実施となりました。以前までのイベントに比べ難易度は多少あがったものの、参加者の皆様の伝えたい、また知りたいという強い意志や少人数のグループで行ったこともあり、活発な議論がなされました。
普段政治について真剣に議論する場が限られている中で、今回のイベントは参加者の皆様にとって、政治に対する関心を深め、自身の意見を持つきっかけになったのではないかと思います。
このような場での出会いや体験を通して、参加者自身の今後の活動や関心の発展に繋がっていくことを期待しています。またセミナーやディスカッションだけではない新しい形の企画も考えていきたいと思っています!
主催者からのコメント
今回のSWY塾はスウェーデンという私にとってあまり馴染みのない国の政治について議論しました。福祉国家というだけあって、社会問題や政治への関心が高く深い議論ができました。日本や他国と比べて政治的思想が違うと、人の考え方や雰囲気までここまで違ってくるのか!と実感しました。これからも日本人の参加者にも気軽に政治についてディスカッションし、より日本や世界について考えられる機会を増やしていきたいです。(SWY29 村瀬美咲)
今回のイベントは、すべて英語での実施でしたが、参加者の皆さんが終始いきいきと議論を交わしている姿が印象的でした。日本人スウェーデン人双方にとって学びの多い1日になったのではないかと思います。
また、イベントを開催するなかで、内閣府事業の枠を越えた繋がりがいくつも生まれたことを嬉しく思います。今後もSWY塾では、政治や社会問題について語り合う機会の提供と同時に、参加者同士の交流の輪が広がるきっかけをつくっていきたいです。(SWY31 清水万尋)
SWY塾とは
SWY塾は、内閣府国際交流事業「世界青年の船」(Ship for World Youth)既参加者が有志で企画・運営しています。目的としては、日本の社会・政治問題について関心を持ち、自身の意見を述べることのできる人を増やす(ひいては英語で外国の人と対等に議論できる力を醸成する)ことです。政治参加意識を持ち、それを高め、自身で調べたり意見をアウトプットする機会の提供を行ってまいります。またそのような議論を共にできる仲間を作ることができる空間を提供してまいります。
SWY塾主催者
第26回世界青年の船参加 石川綾佳