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OB/OG紹介 – 日本国際ボランティアセンター パレスチナ事業 エルサレム事務所現地代表:山村順子さん

現在、エルサレムに駐在し、プロジェクト・コーディネーターとしてパレスチナ人向けの支援プログラムを東エルサレム(アラブ人が住んでいるエリア)とガザ地区で行っている山村順子(よりこ)さん。

小さいころから「人の命よりも大切なものはないのにどうして紛争や戦争はなくならないんだろう」と不思議に思っていた山村さんは、スタディーツアーでパレスチナを訪れたことをきっかけに、NGOへの転職を決意しました。

東エルサレムでは、「青少年のレジリエンスと地域保健の向上事業」と題し、中高生の保健委員会の生徒が、占領下で日常的に暴力に晒されながらも、地域の人々と協力しながら保健・衛生に関する問題を解決することを通し、自尊心を向上させる活動を行っています。また、封鎖下にあり、空爆もあるガザ地区では、地域の女性たちとともに3歳以下の子どもたちの健全な発育を支援するプロジェクトを行っています。

「不条理な現実を日常で経験している人たちと日本で平和に育ってきた自分が接するのは、楽なことではない」という山村さん。封鎖下・占領下で生きている人たちたちが、どんなに頑張っても変えられない現実と対峙する姿を見なければならないところが辛いそうです。

特に仲良くなった友人たちから、「幸せな環境で生きてきた君には僕らの気持ちなんかわかるわけないよ」と言われたときはショックを受けました。また、「平和」や「対話」といった言葉は軽々しく使えないと、生活しながら感じるようになりました。

ストレスの多い環境で踏ん張っている山村さんですが、人々が強く支えあって生きている姿に接する時、この仕事の楽しさ・嬉しさを感じるそうです。また、現地の人たちに出会う中で、どんな環境にいても光を見つけて前向きに努力をしている人たちと出会うと、とても勇気づけられるといいます。ご自身でも、常にポジティブでいるために心理学を勉強するとともに、週末はいろいろなところへ出向いて新しい人たち・景色に出会うよう心がけているそうです。

30歳の時に世界青年の船事業に参加された山村さんですが、3年後、ファシリテーターとして 再び船事業に参加しました。参加青年のときは、自分が自由にアウトプットをしていく立場であった一方、ファシリテーターとして参加した際は、参加青年がいいアウトプットをするためのサポートをする役回り。参加青年の英語力や、参加国の違いから、参加青年全体の雰囲気も異なっていたので、2回船に乗って、「船は生き物なんだなあ」と感じだそうです。

仕事を辞めるタイミングや、若い学生の人との距離感など、頭を悩ませる要素はいくつもあったそうですが、学生時代の限られた英語力では外国人社会人参加の青年たちと深い話もできないので、やっぱり社会人になってから乗ってよかったと感じるそうです。

事業参加者には「世界青年の船は、世界の縮図である一方、あたたかい人ばかりがいる理想郷でもあります。しかし、現実に戻って落胆するのではなく、あくまで理想は頭に描きながら常に前向きに進んでいくことが大事」という山村さん。また、思い出に浸らず、新しい場所でもSWY精神を持って道を切り開いて行くことを忘れないでほしいと語ります。

事業への参加を検討している方には、「参加してマイナスになることは何一つないので、時間とタイミングが許す限り、トライしてください!」と伝えたいそうです。

インタビュー担当:小宮 理奈(第21回世界青年の船事業参加)

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