アラブに自殺、イジメ、老後不安はない

著者：ハムダなおこ（岸田直子）
1987年度　第14回「東南アジア青年の船」事業　参加青年
1989年度　第2回「世界青年の船」事業　管理部

【著者からのコメント】
中東アラブの生活って、イスラームの窮屈な制約がたくさんあって、一元管理の超監視社会で、表現の自由や選択がない代わりに格差と不自由さばかりあって、女性が虐げられて、と勘違いしていませんか。ＵＡＥ（アラブ首長国連邦）の田舎に移住して30余年。自殺やイジメのない社会、勝ち組負け組などの概念がない社会、過労死や孤独死のない社会が、どれほど人間に安寧を与えてくれるかを知りました。国連、世界銀行、世界保健機構ＷＨＯ、経済協力開発機構などのデータを丁寧に使って、湾岸中東社会の「今」を切り取り、その核心に迫ります。

本来、この本のタイトルは『ムスリムにならう幸福の見つけ方』で現代の幸福論を書いたのですが、「ムスリムとかイスラームが持つ言葉の注目度はまだ低い」という出版社の社長の意向に従い、人目を惹くタイトルに変わりました。本文ではアラブの諺、クルアーンやハディースの章句を多数引用し、小難しく理解しがたいこうした諺や章句が、現代社会にどのように見事に反映されているかも説いています。

目次：（第1章）ムスリムにならう幸福の見つけ方、（第２章）イスラームの教えとは、（第３章）現実を数値で捉えよう、（第４章）アラブに自殺はない、（第５章）アラブにイジメはない、（第６章）アラブに勝ち組負け組はないーーあるのはたったひとつの勝ちだけ、（第７章）アラブにセクハラはあるか、（第８章）アラブに過労死はない、（第９章）アラブに引きこもりはない、（第10章）アラブに孤独死はない、（第11章）すべてに代償はある

３年かけてぐずぐず執筆していたら、突然、新型ウィルスで世界が一変しました。コロナ禍で弱っていく人間社会や個人を見ていたら、勇気が湧いて書き終えました。エネルギッシュなIYEO会員さえ元気を失いかけている今、この本がちょっとした幸福のヒントを与えられたら本望です。

【著書データ】
出版社：国書刊行会
出版年：2021年5月25日
価格：2200円
ISBN　978-4-336-07183-5
ISBN-10: 4895888169
ISBN-13: 978-4895888165