OB/OG紹介 –  世界一周学校校長:中村雅人さん

世界青年の船既参加青年の中村雅人さんにインタビューさせていただきました。

世界青年の船参加から10年経った現在、中村さんは「世界一周学校」を主宰している。中村さんは、人をあっと驚かせることが好きだそうで、そんな彼は「新世界への挑戦」を自己テーマとして位置づけ、今の世の中にないものや今の世の中にある「正解」をアップデートしたいと意気込む。その思いの裏には、これから生きていく人たちへ新しい可能性を示せるのではないかという期待がある。

「世界一周学校」について

中村さんは、「世界一周学校」のことを「海外はもちろんのこと、分野においても分け隔てなく交流できるコミュニティーの一種」と表現していた。

それは、いろいろな世界の入り口になることを目指した年代問わず参加できるコミュニティーであり、各分野のプロフェッショナルの授業を催し、部活動として「TABIBU」「フットサル部」「ボクシング部」といった多種多様な活動を企画している。また、中村さん自らも全国の中学校や高校をはじめ、フェス等のイベントでの講演活動を行っている。

世界一周学校の授業の一幕

世界青年の船について

中村さんが世界青年の船事業を知ったのは、初めて訪れた海外であるフィジーでの出会いがきっかけだったそうだ。現地で留学スタッフをされていた方に既参加青年がおり、「世界を見てみたい」と考えていた中村さんにとって、世界の青年たちと船上で共同生活を送り、相互理解を深めることのできる事業があるということはとてもタイムリーな情報だった。

また、そのフィジーで出会った現地スタッフ自身への憧れも参加を決意した一因であるという。その方は視野が広く、世界を回るという自分のやりたいことを実際に経験されていて、自分もそうなりたいという思いが応募の後押しになったそうだ。

いざ、世界青年の船に参加してみるとカルチャーショックはなかったが、他国から参加していた同年代の青年の決断力や周りを見る能力の高さにインパクトを受けたそうだ。

また、参加当時は「ちゃんとしなきゃ」という思い込みから抜けることが難しかったという。それは、多様性を受け入れられず、自分の価値観に縛られていたからだと中村さんは振り返る。

一方で、世界青年の船に参加したことで得た1番の財産は共同生活を送った仲間と今でも交流があることだという。また、世界青年の船を通して学んだことは多く、世界中が学校であり、世界の人々が先生であり生徒であるという思いが「世界一周学校」に繋がったのかもしれないと中村さんは語る。

人生を変えた出会いの場、フィジーにて

次世代のリーダーたちへ

次世代を担うリーダーたちに対して、「我慢」をせずにいろいろなことに挑戦し続けるべきであると中村さんは言う。それは、リーダー自身が我慢せずにいろいろなことに挑戦し、幸せであれば、周りの幸せを考える余裕がでてくるからだそうだ。

「ちゃんとしなければいけない」という価値観に縛られ、そこを踏み外したら周囲から叩かれるのではないかと小さくなるのではなく、その壁を乗り越え、周りからも「これいいじゃん」と認めてくれるようになればすごいことなのだから、もっと自由に自分のやりたいことに挑戦していってほしい、と中村さんはエールを送る。

しかし、自分のやりたいことだけをやれば良いというわけではもちろんない。自分の言葉を人に届けるためには、自分の中で「○○を経験していない」という後ろめたさを無くし、納得感を得てから挑戦するというプロセスが必要だと中村さんは言う。

青空カフェと世界一周学校のコラボ

実際、中村さんも「世界一周がしたい」という思いを抱えつつ、大学卒業後3年間会社勤めをしていた。中村さんにとって会社勤めも「未知の世界」だったというが、入社当初から3年間働いて、3年後も変わらず自分の本当にしたいことが世界一周ならば、会社を辞めて実行しようと心に決めていたそうだ。

また、自分に対する他人の評価ももちろん気になるからこそ、社内で1番にならなければ辞めずに働き続けようとも決めていたそうだ。中村さんは社内で1番になり、自分の中に納得感を得たからこそ世界一周に挑戦したのだ。

「本気でやれば、自分が成功するチャンスが巡ってくる」と中村さんは言う。世界一周の旅をすることで次の就職が難しくなると周りからは言われたが、世界一周を通じて一緒に仕事をしたい人に巡り合うことができ、自分にとってプラスになることばかりだったそうだ。

南極マラソンに出場した時にペンギンたちと

事業への参加を検討している方へ

中村さんは、この事業に参加して後悔した人を1人も見たことがない反面、参加せずに後悔している人は多く見てきたそうだ。だからこそ、ぜひ参加してみてほしいと切に訴えていた。

インタビュー担当:髙橋聖奈(2018年日本・韓国青年親善交流事業参加)

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