変わるお葬式、消えるお墓―最期まで自分らしく(高齢社会の手引き)

著者:小谷みどり
1991年度 第18回「東南アジア青年の船」事業 参加青年

【著者からのコメント】
「東南アジア青年の船」事業でブルネイに滞在中、モスクで礼拝をするホストファミリーを外で待っているとき、白布でくるまれた遺体をみかけました。 国や文化、宗教によって弔い方や遺体への観念がまったく異なることに衝撃を受けたことが、私が死生学に関心を持ったひとつのきっかけだといえます。参加したときには大学院生でしたが、そのときには、自分が将来、死生学を専門に研究することになろうとは夢にも思いませんでした。
15年前には会社を休職し、シンガポールでがん患者のホスピスを調査したり、タイのエイズホスピスではボランティアとして滞在したりしました。現在もアジアをはじめとする諸外国と日本で、死の迎え方や葬送、死生観にまつわる研究を続けています。高齢化、長寿化、都市化が人の死に与える影響は少なくなく、なかでも変動するアセアン各国が抱える葬送問題については、わが国で私が最も熟知しているのではないかと自負しています。
事業に参加して25年近くになる今でも、各国のホストファミリーとは家族同然のつきあいをしています。数年前、マレーシアとフィリピンのホストファミリーが相次いで亡くなったときにも、モスリムとカトリックという異文化の葬送を家族の一員として体験しました。 
この著作は直接的にはアセアンとは関係ありませんが、事業に参加したことは私の人生に大きな影響を与えています。

【著書データ】
出版社:岩波書店; 新版
出版年:2006年8月9日
価格:1836円
ISBN-10: 4000264974
ISBN-13: 978-4000264976
NDC:385.6

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